
糖の代謝を調べる検査とは?
● 検査項目
・血糖(BS)
・ヘモグロビンA1C(エーワンシー)(HbA1c)
・インスリン(IRI)
● 検査の目的
・糖尿病の早期発見
● 糖尿病を早期に発見する理由?_
・糖の代謝不良により、血液中の糖が慢性的に増加したする病気が
糖尿病。
・糖尿病になる因子は
- カロリーの多い食生活
- 運動不足
- 肥満
- ストレスなどの生活習慣
- 加齢
等が因子となって発症します。
・糖尿病は初期にはとくに症状がありません。
しかし、症状が出たときは、病気が進行した状態です。
・したがって、早期発見の為に血液検査が必要なんです。
● 基準値
- 血糖(BS) 70~109mg/㎗(空腹時血糖)
- ヘモグロビンA1C(エーワンシー)(HbA1c) 4.3~5.8%+0.4(国際基準)
- インスリン(IRI) 2.2~12.4μU マイクロユニット)/mℓ(空腹時)
● 検査でわかること
▼ 血糖(BS)
・血糖中の糖(ブドウ糖)は食事をすると増加します。
・健康な人は、膵臓からインスリンを大量に分泌させて、そのはたらきで糖を代謝します。
・食後2時間くらいで血糖値がもとの状態にもどります。
・身体の働きが悪く、インスリンの分泌が不足しているときは、
血液中の糖が代謝されずに増加したままの状態となることから、いわゆる『高血糖』になってしまいます。
・逆にインスリンが過剰に分泌されると、血糖値が低下しすぎて、手の震えや意識障害、けいれんなどに
進行する低血糖(ていけっとう)症状が発生します。
・検査の血糖値は、空腹時の血糖を調べ、糖尿病の発見と診断にもっとも重要な検査となります。
・検査は9時間以上絶食したのちの空腹時に採血して測定します。
・ 空腹時血糖の値によって、以下の通り分類されます。
1) 糖尿病型 :126mg/㎗以上
2) 境界型 :110~125 mg/㎗
ブドウ糖負荷試験などの二次検査を行います。
糖尿病以外に血糖値から考えられる病気は、
・クッシング症候群
・甲状腺機能亢進症
・膵炎
・肝炎
・肝硬変
など考えられ、低血糖値では、インスリノーマなどの膵臓の病気の疑いがあります。
▼ ヘモグロビンA1C(エーワンシー)(HbA1c)
・検査前1~2か月の血糖値の状態をおおまかに知るための検査。
・赤血球の中にあって、
体内に酸素を運ぶはたらきをしているヘモグロビン(Hb)の中には、
ブドウ糖と結合してできたものがあり「グリコヘモグロビン」と呼ばれます。
・ヘモグロビンA1Cは、その一種で、1日の血糖値の平均が高いほ増加します。
・ヘモグロビンA1Cは、赤血球の寿命が(約120日)が尽きるまで付いているので、
その割合を調べることで、過去1~2か月の血糖値の状態を知ることができます。
糖尿病の人の血糖コントロールをみるために行われていた検査で、
血糖値のように、食事や運動の影響を受けて変動することがないので、
健康診断で調べることもふえてきました。
血糖値の検査結果と総合的に診断していくものです。
・ヘモグロビンA1C値が6.5%を超えていたら糖尿病を考えます。
・高値になる病気としては、
* 腎不全(じんふぜん)
* 異常ヘモグロビン血症(けっしょう)
などが考えられます。
5.2%以上では境界域と考えて食生活の改善などをしていきます。
反対に低値を示す病気では、消化管のがんや肝硬変(かんこうへん)、溶血性(ようけつせい)貧血などが考えられます。
▼ インスリン(IRI)
インスリンは、血液中のブドウ糖の量を調節するホルモンで、膵臓から分泌されます。
このインスリンが不足すると
血糖値が上昇し、高血糖の状態になり、やがて糖尿病に至ります。
血糖値などの検査とあわせて、高血糖を引き起こす病気、低血糖の状態を推定するのに用いられます。
インスリン検査は、前夜から飲食をしない状態で早朝に採血して測定します。
インスリン値が低い場合は、
・糖尿病
・急性膵炎(すいえん)
・慢性膵炎
・副腎(ふくじん)機能不全
等が疑われます。