糖質は身体に必要な栄養素ではなかった。
■ 動物は糖質を摂取しなくても生きられる。
自然界に糖質が少ないからと言って、野生動物が生きていけないことはありません。
野生動物にとって糖質をほとんど摂取しなくても健康上、なんら問題はおきません。
糖質がほとんどゼロでも人間を含めて動物は生きていけるのです。
■ 糖質は、必須栄養素ではない。
動物や人間などの肉食動物にとって糖質は、必須栄養素ではないのです。
人間が生きていく上で必須の栄養素。
大きくは以下の5つ。
・水
・必須アミノ酸
・必須脂肪酸
・ビタミン
・幾つかの超微量元素
つまり糖質は、必須栄養素ではないのです。
■ エネルギーの要素は、糖質だけではない。
酸素を少ない消費量でエネルギーに変換できるため、
糖質は、そのエネルギーの源として活用されています。
でも、脂肪やアミノ酸が糖質の代わりにエネルギー源となるのと、
一部のアミノ酸などから肝臓でグルコースを作ることができます。
したがって、糖質を摂取しなくても、血糖は正常に維持できて、
生きていけるのです。
細胞はグルコースが無くても脂肪やアミノ酸を燃焼させてエネルギーに変換でき、
脂肪とタンパク質、ビタミン、ミネラルがあれば、細胞を増やして体の機能を維持できます。
■ 糖質(炭水化物)は五大栄養素の一つと言われるが
上記の通り、脂肪(脂質)とタンパク質、ビタミン、ミネラルは体にとって必須ですが、
糖質だけは必須ではありません。
ガソリンとして活用しやすいので糖質が、主体(主食)になっていますが、
糖質をガソリンにしなくても人間は、生きていけます。
さらに、健康を害するという根拠もありません。
■ グルコースがなくても脳は働く
糖質を減らせば、「糖がなければ脳が働かなくなるのではないか?」と反論がありました。
脳のエネルギー源はグルコースが主体です。
脂肪酸は、血液を通れないので脳のエネルギーになれません。
例えば、山で遭難して10日間以上飢餓状態になったり、目的があって長期間絶食しても、
思考力や記憶力には全く問題はないのです。
その理由は、糖質を摂取できなくても、
体に蓄えた脂肪やタンパク質から肝臓でグルコースを生成できるのです。
さらに、グルコースが枯渇した状況で脂肪酸が燃焼するとケトン体ができ、
このケトン体は脳のエネルギーとなります。
ケトン体は、細胞膜や血液から、骨格筋や心臓、腎臓、脳など多くの臓器に運ばれ、
ミトコンドリアで代謝されてグルコースに代わるエネルギーとして利用されます。
特に脳にとってはグルコースが枯渇したときの唯一のエネルギーとなるのです。
つまり、グルコースを摂取しなくても、脳の働きは正常に維持されるのです。
■ 糖質の摂取を推奨する事は間違い
砂糖などの糖類の摂取量の増加が、最近の世界中の肥満や糖尿病、メタボリック症候群の増加の原因であることが明らかになったため、
WHOが糖類の1日の摂取量の制限を25g以下に厳しく制限する指針を発表しました。
しかし、世の中には砂糖や糖質を摂取するメリットを主張する意見もあります。
例えば、「脳や神経系は血液中のグルコース(ブドウ糖)しかエネルギー源にできないので、
血糖値(血液中のグルコースの量)が一定以上なければ脳の働きは悪くなり、
疲れを感じたり、イライラしたり、集中力が低下する」という意見があります。
■ 砂糖中毒
砂糖や糖質を摂取しなくても脳の働きは低下しないことは理解しました。
イライラや集中力が低下するのは砂糖中毒の禁断症状であり、
日頃から砂糖を摂取していなければこのような症状は起こりません。
砂糖は最も消化されやすく、グルコースを作り出しやすい食品で、
速やかに体内に吸収され、血糖値を上昇させ、脳の働きを活発にさせると
砂糖を推奨する意見もありますし、脳内報酬系を刺激して脳に快感を与え、
やる気を引き起こすために、砂糖を積極的に摂取すべきという意見もあります。
脳内報酬系を活性化するために覚せい剤や麻薬は使えないので、
砂糖で脳内報酬系を積極的に活性化して幸福な気分になる方が良いという理屈は、
間違いなのです。