糖質制限には、中毒性がある?

集中力、判断力、記憶力を高め、仕事のパフォーマンスを上げることができ食事法がある。何をどう食べたらいいのか。
糖尿病専門医の奥村医師に話を聞きました。

▼ 昼食後の眠気、倦怠感の原因

大事な仕事が午後からあるため、昼はトンカツでエネルギーをたっぷり補充したのに、眠気やだるさに襲われ全く仕事が手につかなかた。
ようやく頭がはっきりしてきたと思ったら、
今度はイライラして落ち着かず、早くもアフター5のビールが恋しい――。

▼ 食後の眠気は、なぜ起こるのか?

「昼食に糖質をたっぷりとって急上昇した血糖値が、その反動で急激に降下。
“低血糖状態”に陥ったために,眠くなったり、だるくなったりしています。」

糖質とは炭水化物の一部の以下の3種類ことで、以下の3類に分かれます。
・果物などに多く含まれる単糖類
・砂糖などに多く含まれる二糖類
・ご飯やパンなどに多く含まれる多糖類

体が糖質を一気に吸収すると、一時的に元気になるが、
血糖値の上昇をキャッチした体はすぐに、
膵臓からインスリンを放出して血糖値を下げようとする。
急激に上がった血糖値は急激に下がっていくために、
眠気やだるさが発生するのです。

▼ 目を覚ますためにしてはいけないこと。

目を覚まそうと甘い缶コーヒーや清涼飲料水などを飲むと逆効果。
砂糖水は消化にまったく時間がかからないのであっという間に胃で吸収され、
血糖値はとんでもなく上昇します。
すると脳では『報酬系』といわれるドーパミンが分泌され、
非常に幸せな気分になりますが、その後にまた血糖値の急降下に襲われ、
イライラするので糖質が欲しくなるのです。

つまり、これが糖質中毒。

糖を食べてハイになり、糖がなくなると気分が落ち着かず、集中力が欠ける。
「血糖値が下がると脳細胞の働きが悪くなり、思考力、集中力、認知力が下がります。
適正な血糖値の値は、70~140mg/dl。
血糖値を上げないように食べることが、
脳の働きを良くするためには大切」という。

また、糖質のとりすぎは体内でたんぱく質と結びつき、長い時間のうちに、
「AGE(糖化最終生成物)」という老化物質をつくりだす一因になる。
これを「糖化」といい「酸化」より老化をもたらす。

血糖値の上昇を抑えることはAGEを防ぎ、脳の老化を予防するのです。

▼ 高い血糖値は、認知症をひき起こす

血糖値のもたらす脳への影響は、長期的にはどうなのか。
認知症の要因として、糖の代謝異常がある。

そもそも、糖をとりすぎる生活は、生活習慣病である2型糖尿病の原因だ。
高血糖状態が続くことでインスリンの分泌異常が起き、結果的に細胞に糖をとり込めなくなる。
大脳には、有害な物質をブロックする血液脳関門という脳の関所がある。
インスリンはここを通過して脳に入り、脳内では記憶や思考にかかわる役割もしているとされている。
ところが、この分泌異常が起こると、どれだけ糖をとっても、
脳がそれをエネルギーとして生かせない。

たとえば、認知症によくある「まだ、ごはんを食べていない!」という訴え。
今までは、認知機能の低下による物忘れの症状とされてきた。

「しかし、この方の血糖値を測ったところ、
食後なのに食べる前より血糖値が低くなっていました。
この患者さんは糖尿病ではありません。
しかし何らかの理由で、『食後低血糖』の状態が起き、
脳が食事から糖のエネルギーをとり込めなくなっていたのです。
これが脳細胞を破壊させ、認知機能に異常を引き起こしたと推測しています」

▼ 腸内環境も脳に影響する

脳と腸には、神経系などを介して互いに影響を与え合う
「脳腸相関」の関係がある。
腸内細菌のバランスは、脳内物質ドーパミンの分泌に関わっているし、
セロトニンはその9割が腸でつくられる。
「過敏性腸症候群」は通勤電車の中で起こりやすい腹痛や下痢で、
脳のストレスが原因といわれている。
そこで、脳の回転を良くするには腸内環境を整えることも重要だ。

認知症の患者さんには便秘が多く便が臭いなど、腸内環境の悪さを実感することが多い。

「認知症の周辺症状といわれる徘徊や無気力でぼんやりした状態、
突然興奮して怒りだすなども、便秘を解消することで改善するケースがあります」

▼ 血糖値を上げず、腸にも良い食事とは?

手づくりジュースより卵かけご飯

「白米やパンなどの主食は、食べるとすれば朝か昼」。
2人の医師とも声をそろえる。
これには、夜に糖質をとらないということと、
朝しっかり食べて空腹を防ぐことで、
昼のドカ食いを避けるという2つの意味がある。

「糖質はたんぱく質といっしょに食べると、
胃の滞留時間が長くなるため血糖値が上がりにくくなる。

そこで、パンには、ツナや塩分の少ないチーズをのせて食べる。
和食なら納豆ご飯や卵かけご飯に。
ラーメンを食べるなら、チャーシューと一緒に食べよう。

野菜や豆類、魚などの繊維のあるものをよく噛んで食べることで便通が促され、腸内環境を整えてくれる。

腸内環境を整えるヨーグルトは無糖で、
甘みには冷凍ブルーベリーなどをトッピング。
果物を食べるなら朝だが、ジュースにすると食物繊維が含まれないうえ、
果糖は血糖値を急激に上げてしまう。

オレンジジュースをつくるなら、みかんを袋ごと食べたほうがまし。
むしろ、だしをしっかりとったみそ汁がおすすめです。
豆腐、葉物野菜、きのこなどを入れることでビタミン・ミネラルやたんぱく質が補給できます。

脳が老化してくると微妙な味わいがわからなくなる。
塩分控えめで、だしのうまみや素材の味をおいしいと感じることも、
脳を活性化することにつながるという。

サラダドレッシングは、糖質を含むものも多いのでNG。

「一番のおすすめは質がよく風味のいいエキストラバージンオリーブオイル。
もっとも抗酸化作用の高い油で旬の野菜を味わいましょう」

いは、脳を暴走させる

昼に、ざるそばやうどんを5分でかきこんで空腹を満たすのはNGだ。
「炭水化物オンリーなので、血糖値は急上昇し血糖値スパイクを引き起こします」(牧田医師)
忙しくても10分多めに時間をとって、海藻サラダやトマト、ゆで卵、おひたしなどのサイドメニューを頼み、
先にゆっくりと食べておこう。

「食べ物が胃に入ってから脳の満腹中枢が刺激されるまで、
どんなに少なくても10分はかかります。
その間はとにかく血糖値を上げないものを食べて時間を稼ぐのです」

ある程度、満腹感を覚えてから炭水化物のそばやうどんを食べることで、ドカ食いを防ぐことができるのだ。
そばの場合もたんぱく質と一緒に食べます。月見そばや、えびやいか、
あなごなどの魚介の天ぷらそばがおすすめ。
かき揚げは野菜が多く一見ヘルシーなようですが、
かき揚げに使うにんじんやごぼうは糖質が多め。
つなぎの小麦粉も多いので、血糖値の上昇を防ぐ点ではマイナスです。

▼ 1日3食より、ちょこちょこ食べる

とはいえ、空腹なときには、何を食べても血糖値は上がりやすくなってしまう。
そもそも、1日3食という食事スタイルが、血糖値を上げるようにできているのだ。たとえば、ランチにおにぎり3つを食べるならまず11時に1つ。そして13時、15時に1つずつと、小分けにして食べると良いのだ。または昼を腹6分目で食べ、10時や午後3時に間食をとるのでもいいと言う。

だらだら食いは太るとされてきましたが、総量が同じなら実は逆。
空腹と満腹を繰り返さないほうが血糖値は安定し、落ちついて仕事ができる。

なお、どうしても食べたいデザートは、食後1時間たってから。
血糖抑制作用のあるコーヒーと一緒にゆっくり食べるほうが、
血糖値が上がりにくくなります。

残業後の遅い夕食はどうすればいいか。
「豆腐や鶏ムネ肉のような消化の良いたんぱく質、
または海藻類、野菜、豆類をとりましょう」(熊谷医師)。

野菜でも糖質の高いものは、夜遅くに食べるのは避けたい。
れんこん、ごぼうなどの根菜類は、思いのほか糖質が高い。
根菜の煮物より葉物野菜のおひたし、海藻サラダでおなかを落ち着かせましょう。

 

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。